宮台真司『絶望 断念 福音 映画』

8月締め切りの原稿があり、少し書き始めているのだが、どうも調子がでないので、昨日買った宮台真司の新刊を読む。雑誌『ダ・ヴィンチ』連載の映画評論(というより、映画を素材に宮台氏の〈世界〉観・〈社会〉観を述べたものというべきか)を集めたもので…

『現代思想』8月号 柄谷行人『トランスクリティーク』

じつに久しぶりに『現代思想』を買う。「柄谷行人インタヴュー」が目当てだったからなのだが、内容としては『トランスクリティーク』以来のアイデアを改めて語りなおしたもので、とくに目新しい点はない。こちらとしては、70年代〜80年代の柄谷氏の仕事と現…

広田照幸『教育』ほか

電車のなかで広田照幸『教育』(ISBN:4000270079)を読む。岩波の「シリーズ思考のフロンティア」の一冊なのでコンパクトな本なのだが、なかなか読み応えのあるものであった。教育がもつ社会化/配分という機能に、個人化/グローバル化というパースペクティヴ…

北田暁大『〈意味〉への抗い』

昨年、2ちゃんねるを分析・批評した「嗤う日本のナショナリズム」(『世界』2003年11月号)によりメジャー・ブレイク、今や最も注目すべき論壇人となった北田暁大氏の新刊。ここ数年の間に発表された論文が硬軟取り混ぜて集められているが、残念ながら「嗤…

山脇直司『公共哲学とは何か』

ここんとこ編者のひとりとして参加している本の仕事に忙しく、読書の時間があまりとれない。そんななか仕事の行き帰りを利用してなんとか読めたのが山脇直司『公共哲学とは何か』(ちくま新書)。しかし、正直いってこの本はハズレであった。「国」のために…

Ulrich Beck & Elisabeth Beck-Gernsheim, Individualization/Ulrich Beck & Jonannes Willms, Conversation with Beck.

一日書いただけでもう5日もたってしまった。これじゃあ「やりながらでっちあげる」前にフェイドアウトしてしまいそうなので、最近届いたウルリッヒ・ベックの本について少し書こう。画像の方は有名な『リスク社会』(邦題『危険社会』)を表示させてるけど…